在留資格手数料2026年値上げ|日本人も無関係ではない

在留資格手数料2026年値上げについて、行政手続きの資料を確認し制度変更の影響を調べる男性をイメージした画像 政治制度と法律の仕組み

在留資格の変更や更新にかかる手数料は、2026年に大きく姿を変えます。長年にわたり据え置かれてきた金額が、一度に数倍から数十倍という規模で見直される、大きな転換点を迎えています。

出入国在留管理庁は2026年7月3日、在留期間に応じて手数料を1万円から7万5000円に、永住許可は20万円に引き上げる政令案を公表しました。これまで一律6000円だった手数料は、在留期間が長くなるほど高額になる仕組みへと切り替わります。10月1日からの施行を目指し、8月2日までパブリックコメントも実施されています。

手数料を直接納めるのは外国人本人ですが、日本人配偶者や外国人材を雇用する企業など、日本人の暮らしにも関わりが及ぶ制度変更です。今回は、変更内容の全体像と、日本人への影響をあわせて整理してお伝えします。

在留資格の手数料はいつ、いくらに変わるのか

在留資格の変更許可や在留期間の更新許可にかかる手数料は、2025年と2026年の二段階で見直しが進んでいます。まずは現行の水準と、新しく示された金額の全体像を確認しておきましょう。

2025年4月の改定ですでに一段階上がっている

出入国在留管理庁の発表では、2025年4月1日に施行された政令改正により、在留資格変更許可申請と在留期間更新許可申請の手数料は、従来の4000円から6000円に改定されました。オンラインで手続きを行った場合は5500円で、窓口申請よりわずかに低く設定されています。

永住許可申請の手数料も、8000円から1万円に引き上げられました。この改定は2025年4月1日以降に受け付けられた申請から適用されており、それより前に受け付けられた申請は、許可や交付が4月1日以降になった場合でも改定前の金額が適用されています。2026年に予定されている引き上げは、この2025年の改定よりもさらに大きな規模になります。

2026年5月の法改正で手数料の法定上限が引き上げられた

2026年3月10日、政府は在留資格の変更・更新手数料の法定上限を1万円から10万円に、永住許可の法定上限を1万円から30万円に引き上げる入管法改正案を閣議決定しました。この改正案は同年5月29日、参議院本会議で可決・成立しています。1981年の制度創設以来、約45年ぶりの上限見直しとなりました。

法律で定められたのはあくまで手数料の上限額であり、実際に納める金額は政令で別途定めることとされています。そのため、法改正が成立した時点では、具体的にいくらになるかはまだ確定していませんでした。

2026年7月に示された具体的な金額案

出入国在留管理庁は2026年7月3日、法定上限の範囲内で実際の手数料額を定める政令案を公表しました。在留資格の変更・更新の手数料は、在留期間が3か月以下の場合は1万円、1年の場合は3万3000円、3年以上5年未満の場合は6万4000円、5年以上の場合は7万5000円になります。永住許可の手数料は、現行の1万円から20万円になります。

この金額案は、在留審査にかかる実費(1人あたり約1万円)に、外国人政策全体の費用を対象者数で割った額(1人あたり約2万円)などを積み上げて算出されたとしています。難民認定者など人道上の配慮が必要な人については、永住許可は2万円、それ以外は1万円までとする減額の措置も示されています。

施行時期とパブリックコメントの行方

法務省は2026年7月3日から8月2日まで、この政令案に対するパブリックコメント(意見公募)を実施しています。寄せられた意見を踏まえて金額を最終決定したうえで、2026年10月1日の申請分からの適用を目指すとされています。

2025年4月の改定では、施行日より前に受け付けられた申請には改定前の手数料が適用されるという経過措置が取られました。今回の大幅な引き上げでも、同様の経過措置が設けられる可能性があります。ただし、具体的な取り扱いは今後公表される政令の内容で確認する必要があります。

手続の種類現行(2025年4月〜)2026年7月公表の案
在留資格変更・在留期間更新(3か月以下)6000円1万円
在留資格変更・在留期間更新(1年)6000円3万3000円
在留資格変更・在留期間更新(5年以上)6000円7万5000円
永住許可1万円20万円
在留期間の更新・変更手数料は在留期間に応じた段階制になります。
永住許可の値上げ幅がもっとも大きく、現行の20倍にあたる20万円になる案が示されています。
金額は2026年8月2日までのパブリックコメントを経て正式に確定します。

よくある質問

Q1.すでに申請中の場合、新しい手数料が適用されますか。前例に従えば、施行日より前に受け付けられた申請には旧料金が適用される可能性がありますが、確定には政令の公布を待つ必要があります。

Q2.オンライン申請なら安くなりますか。2026年7月公表の案では、在留期間3か月以下を除き、オンライン申請だと手数料が割り引かれる仕組みが示されています。ただし永住許可は窓口申請のみが対象です。

  • 在留資格変更・更新の手数料は、在留期間に応じて1万円から7万5000円になる案が示されている。
  • 永住許可の手数料は1万円から20万円になる案が示されている。
  • 金額は2026年8月2日までのパブリックコメントを経て正式に決まる。
  • 施行は2026年10月1日の申請分からを目指す方針が示されている。

手数料引き上げが日本人に及ぼす影響

手数料を納めるのは外国人本人ですが、日本人と外国人が家族や職場でともに暮らし、働いている以上、負担の一部は日本人にも及びます。具体的にどのような場面で関わりが生じるのかを見ていきましょう。

外国人配偶者を持つ日本人世帯への影響

日本人の配偶者や子と暮らす外国人は、日本人の配偶者等をはじめとする在留資格で在留期間の更新を重ねながら生活しています。手数料が引き上げられれば、更新のたびに世帯の家計から支払う金額が増えることになります。

今回の政令案では、経済的困難など特別な事情がある場合の減額・免除規定が設けられる方向で検討されています。報道によれば、永住許可における減免の対象は日本人や永住者の配偶者・子などに限定される見込みで、こうした世帯には一定の配慮が用意される可能性があります。

外国人材を雇用する企業・経営者への影響

外国人労働者の在留資格更新にかかる手数料を、福利厚生の一環として企業側が負担しているケースは少なくありません。手数料が数倍から最大30倍規模で引き上げられれば、外国人従業員を多く雇用する企業ほど、更新のたびに発生する費用の総額は大きくなります。

特に在留期間が短い資格は更新の頻度が高く、対象人数が増えるほど年間の費用負担も比例して膨らみます。人事や総務を担当する立場では、更新スケジュールの一覧化や予算計画の見直しが必要になる場面が増えると考えられます。

出国税や旅券手数料の同時改定という側面

在留資格手数料2026年値上げをテーマに、行政手続きや在留資格制度に関する書類や窓口対応をイメージした画像

今回の手数料引き上げとほぼ同じ時期に、日本人にも直接関わる制度改定が重なっています。国際観光旅客税、いわゆる出国税は2026年7月1日の出国分から、1人あたり1000円から3000円に引き上げられました。海外へ渡航する日本人も対象になる税金です。

一方で、同じ7月1日からパスポートの発行手数料は引き下げられ、10年旅券は窓口申請で1万6300円から9300円に、オンライン申請では8900円になりました。外国人の在留手数料が大幅に上がる一方、日本人が海外へ渡航する際の旅券費用は下がるという、対照的な改定が同時期に行われています。

税収の使い道と社会全体への関わり

出入国在留管理庁の説明では、手数料引き上げによる増収分は、在留審査の体制強化や外国人政策にかかる費用に充てられるとしています。日本弁護士連合会は、当事者である外国籍住民から意見を聴く手続きが十分でないまま大幅な負担増が図られている点に懸念を示す会長声明を公表しました。

手数料そのものは外国人が納めるものですが、財源の使い道や在留管理の体制は、地域社会で外国人とともに暮らす日本人にとっても無関係ではありません。制度の運用状況は、今後も公表される統計や政策文書で確認できます。

外国人本人の負担が増える一方、日本人にも関わる動きが同時に進んでいます。
出国税は1000円から3000円へ引き上げ。
パスポート発行手数料は10年旅券で1万6300円から9300円へ引き下げ。

例えば、外国人の配偶者と暮らす世帯であれば、次回の在留期間更新がいつになるかを早めに確認し、費用の変動幅を把握しておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

  • 日本人配偶者や家族と暮らす外国人にも、更新手数料の引き上げは影響する。
  • 外国人材を雇用する企業では、更新費用の総額が増える見込みである。
  • 出国税の引き上げと旅券手数料の引き下げが、同時期に実施されている。
  • 増収分の使い道や在留管理の体制は、地域社会全体に関わる。

なぜ大幅な値上げに踏み切るのか

手数料の上限が一度に最大30倍まで引き上げられる背景には、在留外国人数の増加と、行政コストの考え方の転換があります。ここでは値上げの理由を整理します。

在留外国人数の増加と行政コストの拡大

出入国在留管理庁の統計によると、日本に暮らす中長期在留者や永住者などの外国人数は、2025年末時点で約413万人に達し、過去最高を更新しています。在留者数の増加にともない、審査にかかる人件費やシステム整備などの行政コストも増大しています。

これまでの手数料の上限は1981年の制度創設時から一律1万円のまま据え置かれており、物価水準や業務量の増加に見合っていないという指摘が背景にあります。窓口対応や多言語での相談体制を維持するための費用も増え続けており、こうした運営コストをどう賄うかが制度見直しの出発点になっています。

受益者負担という考え方への転換

平口洋法務大臣は2026年7月3日の会見で、外国人の出入国や在留の公正な管理にかかる費用は今後も増大が見込まれるため、十分な財源を確保する必要があり、在留外国人にも相応の負担を求めることが必要だと述べました。

これまで手数料は実費に近い低い水準で設定されてきましたが、今回の見直しでは、行政サービスを受ける側が維持管理のコストを負担するという受益者負担の考え方が前面に出ています。増収分は審査体制の強化や多言語対応の拡充など、外国人政策全体の財源として位置づけられています。

諸外国の手数料水準との比較

アメリカでは就労ビザの更新に日本円で6万円台から7万円台、イギリスでは16万円台の費用がかかるとされ、日本のこれまでの手数料はこうした国々と比べて低い水準にありました。政府はこの差を踏まえ、欧米並みの水準へ近づける方針を示しています。

ただし、諸外国と単純に金額だけを比較すると、在留期間の長さや減免制度の有無など、制度の前提条件が異なる点には注意が必要です。物価水準や平均的な賃金水準も国によって異なるため、金額の大小だけで負担の重さを判断しない視点も大切になります。

減額・免除規定の検討状況

改正入管法には、経済的困難その他特別な理由がある場合に、政令で手数料の減額や免除を可能とする規定が盛り込まれています。ただし、どのような場合が減免の対象になるかという具体的な基準は、この記事の作成時点では公表されていません。

日本弁護士連合会の会長声明は、減免の可否や程度が政令や運用に広く委ねられている点について、法律の明確性という観点から慎重な審議を求めています。今後の政令の内容によって、対象となる範囲が変わる可能性があります。

国・地域手続の目安費用の目安
日本(2026年案)在留資格更新(5年以上)7万5000円
アメリカ就労ビザ更新約6万5000円〜7万3000円
イギリス就労ビザ更新約16万9000円

例えば、在留期間5年の更新を1回控えている外国人労働者であれば、現行の6000円と比べて7万円近い差額が生じる計算になります。企業として費用を負担している場合は、この差額を踏まえた予算組みが必要になります。

  • 在留外国人数の増加にともない、行政コストが拡大している。
  • 手数料の考え方は、実費に近い水準から受益者負担へ転換しつつある。
  • 欧米諸国と比べて、日本の手数料はこれまで低い水準にあった。
  • 減額・免除の具体的な基準は、この記事の作成時点で未公表である。

手続きを控える人が今から確認しておきたいこと

正式な金額はパブリックコメントを経て確定しますが、施行が近づく中で、今のうちに確認しておきたい点を整理します。外国人本人だけでなく、家族や雇用企業にとっても参考になる内容です。

施行前の申請というタイミングの検討

2025年4月の改定では、施行日より前に受け付けられた申請には、改定前の手数料が適用されるという経過措置が取られました。今回の引き上げでも同様の取り扱いになる可能性があるため、次回の更新時期が施行予定の2026年10月前後にあたる人は、申請のタイミングを検討する余地があります。

ただし、施行前に申請が集中すると窓口が混雑し、審査に時間がかかる可能性もあります。余裕を持ったスケジュールで準備しておくと安心です。

永住許可申請のタイミングの検討

永住許可の手数料は、現行の1万円から20万円になる案が示されており、値上げ幅がもっとも大きい手続きです。すでに永住許可の要件を満たしている、または近い将来満たす見込みがある人は、申請の時期について早めに検討しておくとよいでしょう。

永住許可の審査には一定の期間がかかるため、単に手数料の金額だけでなく、必要書類や納税状況なども含めて、余裕を持って準備を進めておくことが大切です。税金や年金、健康保険料の納付状況は永住許可の審査で重視される項目でもあるため、早めに確認しておくと安心です。

企業が整えておきたい社内体制

外国人従業員を雇用する企業では、在留期限を一覧化し、次回の更新時期を早めに把握しておくことが重要になります。更新費用を会社が負担している場合は、対象人数に応じた予算の見直しも必要です。

また、在留期間が長期になりやすい体制を整えることで、更新の回数そのものを減らせる可能性があります。安定した雇用契約や各種認定の取得状況など、在留審査で考慮される要素を確認しておくとよいでしょう。従業員数が多い企業ほど総額の差が大きくなるため、人事や総務の担当部署であらかじめ情報を共有しておくことも欠かせません。

今後の政令・パブリックコメントの確認方法

今回の金額案はあくまで政令案であり、パブリックコメントを経て正式な金額と施行日が確定します。最新の状況は、出入国在留管理庁の公式サイトで随時確認できます。

制度の詳細や自分の在留資格に当てはまる具体的な取り扱いについては、出入国在留管理庁のホームページの該当ページでご確認ください。パブリックコメントの募集期間中に寄せられた意見によって、当初の案から金額や経過措置の内容が調整される可能性もあるため、正式な政令の公布まで継続して確認しておくと安心です。

次回の更新・永住許可申請の予定時期を確認しておきましょう。
施行前の経過措置の有無は、政令の公布後に確認するのが確実です。
企業は在留期限の一覧化と予算の見直しを進めておくと安心です。

例えば、来年の在留期間更新が2026年10月前後に予定されている人は、現在の在留カードの有効期限を確認し、更新可能な時期になり次第、早めに申請を検討するという対応が考えられます。

  • 次回の更新・永住許可申請の時期を早めに確認しておく。
  • 経過措置の有無は、正式な政令の内容で確認する必要がある。
  • 企業は在留期限の一覧化と予算計画の見直しを進めておく。
  • 最新の金額と施行日は、出入国在留管理庁の公式サイトで確認できる。

まとめ

在留資格の変更・更新手数料は、在留期間に応じて1万円から7万5000円へ、永住許可は20万円へと引き上げられる案が2026年7月に示され、10月1日からの施行を目指す段階にあります。同時期には出国税の引き上げや旅券手数料の引き下げも重なり、外国人と日本人の双方に関わる制度変更が続いています。

まずは自分や家族、あるいは自社の外国人従業員の在留期限を確認し、次回の更新や永住許可申請がいつになるかを把握しておくことから始めてみましょう。経過措置の有無や具体的な金額は、政令の公布を待って確認するのが確実です。

制度は今後もパブリックコメントや政令の公布を経て変わっていきますので、この記事を参考にしながら、最新の情報にもあわせて目を向けていただければと思います。

本記事の内容は執筆時点の公的情報をもとに整理したものです。制度・法令・人事等は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

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